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2017/03/25

「奇跡のキャリア教育」東洋大 小島貴子氏が考える、若者と女性のキャリアとは 

若者を育てる「奇跡の授業」

小島氏の授業は、ただ聞くだけではありません。
若者の力を引き出す「奇跡の授業」の内容とは?

わかること

  • ・考える授業
  • ・問い返す力
  • ・名前を名乗るか否か

今回は東洋大学 准教授 小島貴子氏をゲストとしてお招きし、授業を通じた学生の成長などをお伺いします。
 

【考える授業(00:09~)】

杉浦:ちょっとでも結構なので、具体的にどんなことやってらっしゃるかってことを、教えていただいていいですか。
 
小島:杉浦さん、今朝朝ごはん食べました。
 
杉浦:朝ごはんは食べました。
 
小島:朝ごはん食べましたって杉浦さん答えたら、もう一人の学生になぜ杉浦君は朝ごはんを食べたって答えたと思うって聞くんですよ。すると学生がえ?っていうんですよ。いや、朝食べたから。日本語だったから。覚えてるから。本当のこと。とか言うんです。でも私はその次に、じゃあ違う質問するねって、杉浦君最近いつ人のこと好きになったとか、ディープなこと言うと杉浦君は答えられなくなるんですよ。何で答えられないのって言うと、いやそれは秘密だからとか言うんですね。
これ質問なんです。もう一つ質問があって、これから運動します、何を食べたら良いですか。お答えください。
 
杉浦:運動するにあたってですね、バナナ。
 
小島:って答えるでしょ。
 
日本人は聞かれたら答えるんですよ。自分の知ってる情報や知識の中で、最適解を出すんですよ。しかし、何で聞かれたかは問い返さない。だっておかしいじゃないですか、キャリアの授業なのにいきなり朝ごはん何食べたって聞かれたら変でしょ。皆に変って思わなかったって言うと、思いましたって言う。何で聞き返さないのって言うと、聞かれたから。答えられたから。おかしいよね。
実は日本の教育って、目上の人間や、私みたいに教師から聞かれたら反射的に答えるんですよ。それってすごくリスクじゃないって。聞き返す力が無いとこれから大変だよって、いうのをまず授業でやるんですよ。今からですね、リオデジャネイロオリンピックで陸上メドレー銀取った桐生君、東洋大学の学生なんですよ。彼が高校生の3年の3月に東洋大学に入学することが決まって、4月から私の授業受けたんですね。4月にですね、ゴールデンウィークに織田記念大会で、追い風参考なんですけど、10秒切ったんですよ。10秒切って、翌週の授業ちゃんと出てきて、桐生君前に来てって行って、皆学生も桐生だ、おーってなってたときに「桐生君、これからね、運動するんだけど、何を食べたら良い?」って聞いたんですよ。
そしたら桐生君が何と答えたと思います。バナナとは言いませんでしたよ。
 
杉浦:さすがに。
 
小島:さすがに。
 
杉浦:いや、ちょっと想像つかないですね。
 
小島:私ね、この授業10年やってるんですよ。朝ごはん食べたっていう授業なんですよ。そして初めて私の求めてる解を彼がくれたんです。私が何食べたって聞くと、そのとき授業、教室が120人くらいいたかな、前に出てきて、皆から写メとか撮られながら、桐生だとか言って、たたたたって来て堂々と「先生これからってどのくらいですか、今すぐ運動するんだったら消化の良いもの食べますと、3時間時間を空いてたら肉を食べてエネルギーに変えます」もうパーフェクト。何がパーフェクトかっていうと、これは質問じゃなくて設問なんです。運動に対するエネルギーとか消化というものを、その人間がどのくらい知ってますかっていう問いなんですよ。この問いは不確かなんです。これからって言ったから。これからっていう不確かなことを確認して、問い返す力なんですよ。問い返す力がないと正解はでないんですよ。日本の教育っていうのは問い返してはいけないってなってるんですよ。これってキャリアにとってすごい大きなリスクですよ。言われたことを自分だけで頭一生懸命考えて、知ってることなんとなく言う、あいまいでしょ。だけど確実なところがほしい時代なので、これが思考のトレーニングの第一歩ですね。
 
杉浦:非常に興味深いですし、そういった授業を今やってらっしゃってて。
 
小島:色んな形で、物事を組み合わせると何が起きるのかとか、前提を疑うとどんなことが起きるのかとか、本質って何なのかっていうのをディスカッションと思考と、あと本を読んだり書いたり、様々なことを使って、考えるっていうことがいかにキャリアに役に立つのかっていうとこなんですよ。
私は別に言語学者でも思考学者でもないので、キャリアに必要な自分の考える力っていうのを自分で身につけるっていうことなんですよ。私が教えたって駄目なんで、自分で気づいて、自分で考え方を自分らしいのを作るってことですね。
 
杉浦:非常に先生の授業は大変人気だという風にもお聞きしてますけど、やはり先生から見ても、学生の成長というかですね、少しずつやっぱり考える力が付いてくるというのを実感する機会はございますか。
 
小島:奇跡の授業って立教大学にいるときに学生に言ってもらったことがあるんですね。
 
杉浦:奇跡の授業。
 
小島:何でって聞いたんです。
 
そんな気持ち悪いじゃないって言ったら、最初は単位がほしいと思って授業をやってたんだけど、この授業が待ち遠しいとか、この授業が終わった後にもっと自分が成長したいとか、もっと足らないことがあるっていうことを気づくっていうのが、自分の中では初めての経験だって言ってくれたんです。それから私は東洋大学の他に、早稲田大学の非常勤をやってるんですけど、できるだけ学生には前に座れって言ってるんですよ。「チャンスの女神は前髪しかない」って言葉あるでしょ。掴もうと思ったときにそばにいないと掴めないんですね。学生にいつも言うんですけど、前にいる学生には名前を聞くんですよ。名前何ていうのって。でも後ろの学生にはあえて名前聞かないですね。そのまま何百人の大教室の中で名前も名乗り合わないで、半年間終わるのか、前にいて、名乗りあって終わるのかは自分で決めていいよって、でもこれがたぶんキャリアだよって。

そうすると前にいた学生はどうなるかっていうと、一緒に私の海外研究に付いていったりとか、社会人なっても関係が続いたりとか、つながるわけですよ。それがチャンスかどうかわかりませんけども、自分の行動がこれから先、影響がいっぱい出てくるってことは学生にとって知ってもらいたいと思うので、あえてわざとやりますね。
 
【就職活動を通じた成長(07:37~)】

杉浦:そうですか。非常に、今回採用TVということではありますけれども、非常に今の話をお聞きしてて、やっぱり企業人事としてもですね、そういう学生を受け入れるというところもありますし、また就職活動中に本来は学生も成長していくじゃないですか、そこのやり取りですとか、面接一つとってもまさしく先生がおっしゃる通り学生から問い返すってなかなかできない状況だったりしますし、こちらが言ったことに普通に答えないといけないっていう状況もありますし、そういった状況下の中で結局我々採用側が結局は学生をだめにしてるというわけじゃないですけども、そういった思考にさせてしまってたりとか、考える力を弱めてしまったりだとか、何かそんな風に感じてしまってですね。
 
小島:私は実は採用っていうか就職活動ほどね、どんなに私が力を込めて何年間やっても、就職活動には敵わないんですよ。就職活動中に学生は何度も何度も一皮も二皮も剥けて成長するので、これはね、敵わないですね。
 
杉浦:先生がそれだけ手塩にかけても。
 
小島:それはもう、今は東洋大学で、1年生の1学期から私のゼミあるんですけど、自主ゼミなんですよ。単位が付かないゼミで今年で5年目なんですけど、1年生から入ってきた学生が初めて去年3月に就職したんですね。採用されるまでの間、もちろん伴走して、ずいぶん手塩をかけましたよ。でも彼らの気づきは授業では何度言っても気づかないことを1回の面接や就職で落ちることで気づくんですよ。なので私はこの日本の採用について色々問題がもちろんありますけど、やっぱりこの期間に大学生から社会人に移行するという移行期としては、非常にいい時期だと思うんですよ。ただ、両者がる移行期はある意味教育的責任があるんだっていうことを、採用側も本人もわかるっていう仕組みを作れればもっと良いと思いますね。
 
【動画フルバージョンはこちら】


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理工学部准教授/キャリアアドバイザー
小島貴子さん

三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)勤務。出産退職後、7年間の専業主婦を経て、 91年に埼玉県庁に職業訓練指導員として入庁。
キャリアカウンセリングを学び、職業訓練生の就職支援を行い、7年連続で就職率 100%を達成する。
2003年日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーキャリアクリエイト部門受賞
国内外の様々な企業で人財の採用から育成のプログラム作成と実施。独自に開発した新しい思考法によりキャリアの多能性を発揮する学習を指導している。
2005年3月に埼玉県庁を退職後、2005年5月に立教大学で、社会と大学を結びつける「コオプ教育コーディネーター」に就任。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科 特任准教授。
2012年4月より東洋大学理工学部生体医工学科 准教授。

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