採用tv

HOME > 日産自動車が手掛ける独自の「職種別採用」「日本人リーダー育成」の真髄とは?
2017/05/13

日産自動車が手掛ける独自の「職種別採用」「日本人リーダー育成」の真髄とは?

新卒から「職種別採用」

応募時から入社後の職種を決めておく「職種別採用」を、日本企業では珍しく新卒採用で実施している日産自動車。
就業経験のない新卒に、なぜあらかじめ職種を決めることを促すのか。その意図とは?

わかること

  • ・職種別採用が始まった経緯
  • ・職種を決めていない社員に対して
  •     

  • ・各部門の社員との協力

今回は日産自動車株式会社 日本人事企画部 福武基裕氏をゲストとしてお招きし「職種別採用が始まった経緯」などを伺います。
 

杉浦:皆さんこんにちは。モザイクワーク代表、採用学研究所フェローの杉浦です。今回のゲストは日産自動車株式会社、人事本部、日本人事企画部、人事企画部ループ担当部長の福武基弘さんをお招きして、お届けしたいと思います。福武さん、よろしくお願いします。
 
福武:よろしくお願いします。
 
【福武基弘氏について(00:32~)】

杉浦:ではまず最初に、福武さんご自身について、教えていただいてもよろしいですか。
 
福武:私は入社以来、人事職でやってまいりました。日産自動車には、中途で14年ほど前に入りまして、そこから日産の中でも人事のキャリアを歩んでおります。その中では、本社人事のある領域ですとか、あとは開発部門とか、コントロールファイナンス等のHRビジネスパートナーで、昨年より、日本人事企画部というところで勤務しています。よろしくお願いします。
 
杉浦:よろしくお願いします。では早速ですけれども、今回は福武さんをお招きをいたしまして、テーマを3つお届けしたいと思っています。1つ目は、開始から十数年経った職種別採用の今。2つ目は、部門別リクルーター制度と、3年間育成を担当する採用チーム。そして3つ目が、次代を担うジャパニーズビジネスリーダーシッププログラム。略してJBLPの概要について、お届けしたいと思っています。
 
【職種別採用が始まった経緯(01:39~)】

杉浦:まず最初に採用ということで、一般的な大企業の採用になりますと、通常だと総合職ということで一旦採用して、研修中に振り分けていくというイメージが非常に強いんですけれども。御社の日産自動車さんの場合は、いち早く職種別採用に踏み切られたということで、なんと13年の歴史があるということですけれども。実際にこの13年振り返られていかがですか。今も続けてらっしゃると思いますが。
 
福武:もともとは弊社も、通常の採用やってたわけです。今おっしゃっていただいたような、総合職として採用して、研修等して配属を決めていくと。ただ、ルノーとのアライアンス以降、やはり個人にフォーカスして、いかに成果を上げてもらうかということを、基本的な考え方にするようになりました。HR全体として。そうすると、やはり採用ということも、そういうのを実現するためには、やはり本人の専門性ですとか、経験、学校で学んだこと、あるいはキャリアスピレーション、こういう仕事をしたいんだということにフォーカスして、それを入社時から実現してあげた方が、個人にとっても成長ができるし、それは会社にとっても会社の成長に繋がるという考え方で、職種別採用というのを十数年前に導入いたしました。
 最初は、やはり大きな変革になりましたので、最初からそんなにうまくいったわけではなく、苦労もありました。例えば、やはり学生の方にとって、あまり例がなかったケースなので、応募する段階で会社を選んでいるのに、職種まで決めれませんよというような反響というのは実際にありましたし、採用という選考においても、職種別採用しようとすると当然、日産自動車を知っていただかなきゃいけないと。これはベースラインにあるわけですけども。
 加えて、その職種を説明しなければ当然、採用には繋がらない。狙ったところが実現できないということで。会社としては大変、手間がかかるというプロセスです。会社を知っていただくということに加えて、職種の内容をきちんと理解いただくというステップが必要になります。これは相当な労力を必要になるわけですけども。それをしないと、会社と学生の方のマッチング。加えて、学生の方と職種のマッチングと。この3つを有機的にするためには、必要不可欠なプロセスなので、そのチャレンジはあるという前提で、このプログラムに変えてきました。
 十数年経って、やってみますと、最近ではやはり職種別採用があるから、日産自動車を選びましたという方もいらっしゃいます。なので、我々のやり方は今のところ間違ってなかったのかなと。あと加えて、やはり自分がやりたい仕事に配属をして、そこでキャリアをスタートしていただくということは、やはり成長のスピードという意味でもですね、個人にとっても、会社にとっても、いいのではないかというふうに出ています。会社としては認識しています。
 ただ難しさもありまして。現在でも、職種別採用の他に、全ての可能性にチャレンジするコースというのも実は設けていまして、そこを選択される方もいらっしゃいます。導入当初は、その方の割合っていうのがとっても多かったんです。選べないという方が非常に多かったんですけども、最近ですと、2割弱まで減ってきています。やはり学生さんの方も、そういう働く価値観というのはこの十数年で、だいぶ変わってきているのかなという実感を持っています。
 ただ現在でも、十数%の方というのは、やはり自分はどのフィールドでやりたいかというのは決めていなくて、そこは会社がきちんと自分を見てくれて、自分はいろんなキャリアに、その入社したあとの配属以降も、いろんなキャリアに部門を変えてチャレンジしたいから、そのコースを選びます。こういうケースと、やはりまだ決めきれないということで、そちらのコースを選ばれる方もいます。そうした人に対しては、採用チームの担当者が1対1で、職種の説明を再度して振り分けると。振り分けるというのは、もう一度わからないという人に対して、その場を設定して、ここに決めますか、決めませんか、という対応までしていると。そういう意味で、かなり手間のかかるシステムではあるんですけれども、労力をかけるだけのメリットが学生さん、新入社員の方、我々にとってもあるかなというふうに思っています。
 
杉浦:かなり手間と労力をかけてやってらっしゃるんですね。
 
福武:やはりそもそもまずは、日産自動車を知っていただかなければいけない、というのもありますし、もう1つ前の段階では、自動車ビジネスに関心を持っていただく。そこも必要ですよね。特に技術系の、いわゆる男子学生の方というのは、自動車業界が就職の選択肢に入りやすいかと思うんですけども。典型的なのは、女性のエンジニアの方とか女性の文系の方というのは、自動車ビジネスというのはまず選択肢に浮かばないと思うんです。その方にはまず自動車ビジネスを知っていただく。日産を知っていただく。その上で、どういう活躍できるフィールドがあるかを知っていただくと。これを全部揃えないと、うまくはいかないんですけども。先程申し上げた通り、それをやるだけのリターンがあるかなというふうに思っています。
 
杉浦:十数年の歴史のある職種別採用ですけれども、少しずつ変えていらっしゃるところもやはりあるんですか。
 
福武:これはご指摘の通りで、最初は職種別採用導入した時には、先程申し上げた全てのコースにチャレンジする制度というのは設けていなかったんです。一気に職種別に転換です。それでやってみましたら、やはりそれだと選べないという学生さんの反響がありまして、あとで入れたという歴史があります。そういうトライ&エラーというのは実際あります。
 
杉浦:その辺を少しアップデートしていきながら、今に至るという。非常に、採用面接の場でよくある企業側の質問として、どういう仕事がやりたいですかですとか、どんな仕事に就きたいですかっていう志望理由と共に、志望職種を聞くケースが多いんですけれども、ほとんどの場合はそれが叶わず、結局、総合職採用してしまうというケースが多いんですが。御社の場合は、しっかりそれを職種別採用で受け入れて、御本人の希望に沿った形で入社をさせるというところですよね。
 
福武:これはあとのテーマにも関わるんですけども、そうなると、人事の人間が説明っていうのは、する立場には実はふさわしくないんです。そうすると、やはりラインの、例えば、開発なら開発のエンジニアの方が、実際に面接の場に来てもらって、その方と、あとは各ファンクションサポートしているHRBPが、横に同席する形で採用して、役割分担をしてると。その職種の説明のところとか、背景であるビジネスの話とか、ラインの方がしていただいて、人事はHRの視点で学生の方を見ていると。そんな分担がやっぱり必要になります。
 
杉浦:もう人事だけではなくて、ある種現場を巻き込みながら、やってらっしゃるということですね。
 
福武:これは職種別採用やるからには、各部門の協力、コミットメントというのは不可欠です。それができないと、このシステムというのはワークしないと思います。
 
杉浦:御社の規模でそれができるというのが、非常に驚きでしかないというところが正直なところなんですが、やはり皆さん納得してやってくれてるんですか。
 
福武:これもやはり導入当初というのは、なぜ人事がやっていた仕事をというのはあったかと思いますけども、やっぱり十数年やってきて、そこはだいぶ変わってきたなと思います。私も数年前までは、開発部門のHRBPをやっておりまして、そこでエンジニアの採用の責任者もやっていたんですけれども、リクルーターの体制は200名弱になるんです。部長級の方、あるいは課長さん、あと学生と会ってもらう若手社員まではインボルブして、組織化してやってます。
なので、かなり彼らのコミットメントがないと、うまくいかないです。おっしゃる通り、あの規模のリクルーター制度がひけているというのは、長い十数年やってきた中で職種別採用の良さ、メリットというのは徐々に徐々にですけど、社員の中に浸透してきて、やはり自分の部門のリソース、採用というのは、自らやる方がお互いメリットがあるという、ある意味コンセンサスが得られてきたから、ワークできているのかなというふうに思います。
 
【動画フルバージョンはこちら】

採用tv会員登録
1 2 3
P1160619-2
日産自動車株式会社
人事本部 日本人事企画部 人事企画グループ担当部長
福武基裕さん

国内メーカーを経て、2003年日産自動車入社、人事部 採用・異動グループへ配属。
部課長人事制度、組織改正・異動等に従事。2009年 同社関係会社の㈱オーテックジャパンへ出向し、人事・総務・渉外・IS・コミュニケーション等を統括。
その後、開発部門、経理/財務、G&AのHRBPを経て、2016年より現職。
HR Midterm Plan、HR for HR、HR IS等を担当。

ABOUT OUR MEDIA 採用tvとは