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2017/05/13

日産自動車が手掛ける独自の「職種別採用」「日本人リーダー育成」の真髄とは?

日本人リーダーを育てる「驚異のプログラム」とは?

日産自動車には、日本人ビジネスリーダーの育成プログラム”JBLP(Japanese Business Leadership Program)” という制度があります。
若手社員を海外に送り込み、あえて修羅場を経験させるこのプログラムの真意とは?

わかること

  • ・部門別リクルーター制度
  • ・JBLP導入の背景
  •     

  • ・JBLPのプログラム

今回は日産自動車株式会社 日本人事企画部 福武基裕氏をゲストとしてお招きし「JBLP導入の背景とプログラム」などをお伺いします。
 

【部門別リクルーター制度(00:09~)】

杉浦:ちょうど今お話をいただきました、リクルーター制度ですけれども。2つ目のご質問に、ちょっと戻らせていただきたいなと思うんですが。御社では全社横断ではない、部門別のリクルーターの制度をしいてらっしゃるということと。あと、採用チームが採用後、3年間育成を担当されるというふうにお伺いをいたしまして。これも非常に特徴的な取り組みだというふうに思われるんですけれども、もう少し詳しく教えていただいてもよろしいですか。
 
福武:部門別のリクルーター制度は先程申し上げました通り、職種別の採用しようとすると、必然的に必要な体制とプロセスになってくるかなと思います。例えば、私が見ていたエンジニアリングの採用ですと、トータルのリクルーターの人数はですね、200名ぐらいになります。そこはチームを作りまして、トップは部長級の方についてもらいまして、あとは課長級の方数名、あとは若手社員というような構成になってます。彼らはHRからサポート依頼されたから、忙しい中やっているということではなくて、彼らが自分のビジネスの成長、会社の成長、部門の成長に必要な役割だというふうに最近ではなってきています。
 なので、先程申し上げた通りサポートではなく、採用について各ファンクションの方が、コミットメントしていただいてるような状態になってると思います。なので、彼らが実際の採用活動の主体を担うことになります。HRは当然、採用のCOEというのは当然居りますし、各部門のHRBPというのもいるんですけれども、基本はサポート役に回るというのは、基本的な役割分担ですね。リクルーターチームに会社の人材像ですとか、期待値をお伝えする。あるいは、採用のマーケット全体を情報提供する。あとはやはり、リクルーターの方へのトレーニングです。評価社のトレーニングをHRが実施すると。そういったような役割をやって、実際の採用活動自体は、リクルーターの方がかなり主体的にやっていただくという形になってます。
 
杉浦:まさに会社をあげて、採用を取り組んでらっしゃるというイメージですね。その部門別職種採用を採用された人が今度、部門のさらにリクルーターになり、という循環もあるわけですよね。
 
福武:おっしゃる通りです。そういういい循環が十数年経って、できてきたなと思います。職種別採用で入ってきた方が数年経って、リクルーターチームの1番若手に、自分が数年前やったなというような形ですね。でも、そこで社員の方も、自分の学生の視点での職種別採用の良さ、実際にそこのファンクションで、実際に仕事をしている方との密な接点の良さ、というのを理解、自分で肌身に感じて理解してるので、自分がその役割になった時に、その役割を発揮しようというモチベーションが湧きやすいといいますか、そういうところも確かに、ご指摘の通りあるかなと思います。
 
【JBLP導入の背景(03:39~)】

杉浦:まさしく職種別採用がうまく機能しているという証拠と、しっかりとそれを受け入れた部門側が育ててる、しっかりとサポートしてるというところの両輪が、やはり回ってるからですよね。ありがとうございます。3つ目のテーマといたしまして、これも大変興味深いお話なんですけれども。日産自動車さんの採用における、最近よく耳にするお話としまして、ジャパニーズビジネスリーダーシッププログラム、JBLPですね。この導入背景ですね。この辺りと、あとよろしければ概要についてお話いただいてもよろしいですか。
 
福武:日産自動車は1999年のアライアンス以降、成果主義ということと、ダイバーシティマネジメントということを、人事の中での基本的な考え方に置いて、やってまいりました。なので、人材の登用というのは、国籍というのはもちろん関係ありませんし、グループ会社はたくさんあるわけですけども、どこの出身会社というのも全く関係なく、人材の登用というのをグローバルに進めてまいりました。十数年経ちまして、成果としてはですね、例えば、エブゼクティブ層のですね、半数ぐらいはノンジャパニーズになっていますし、グローバルのキーポストに占めるノンジャパニーズの割合というのは、非常に高くなっています。これは十数年、グローバルにタレントマネジメントをしっかりやってきたいいアウトプットです。
 ただ今、社内で数年前に論議になったのは、そういう意味でダイバーシティマネジメントは浸透してきて、先程のような成果は出てきたけれども、少しタレントのプールを見てみると、日本人の将来のビジネスリーダー、そのパイプラインという比率がどうも脆弱だと。いうことがゴーンさん含めて、経営会議メンバーの中で、課題として設定されました。
 これは単に、日本人か日本人でないかというと、少し変な論議になるんですけども、ゴーンさんは結構クリアに言っていて。自動車というビジネスを考えた場合に、お客様というのはブランドというのを重視すると。ブランドの1つに、どこの地域、どこの国の製品であるかというのを、お客様は結構しっかり見ていると。ですから、日本車であることというのは、その購入するお客様にとって、大きな要素になると。そういった時に、その会社の構成、あるいは意思決定のあり方が、無国籍な状態にお客様に見えてしまうと、ブランドに傷がつくと。だから、一定の比率というのが大事なんだと。かなりビジネス?な考え方でやってます。
 もともとで言えば、日産というのは日本発の日本にDNAがある会社ですし、日本にDNAがあるグローバルエクセレントカンパニーになりたいと思っていますので。そういう意味からも、いろんな層でビジネスリーダーの層で、日本人の比率が一定層、バランスが大事だということになってきてます。そこでそうした場合に、日本人の将来のビジネスリーダー候補のパイプラインも含めた比率が、少し弱いなということになりまして、2年前に、日本タレントマネジメント部というものを新設しました。
 それまでもCOEの中に、グローバルタレントマネジメント部というのはあったんです。あったんですけども、わざわざ2年前に、日本人のビジネスリーダーを作るために、日本タレントマネジメント部というのを設立して、いろんなプログラムをやってきています。ですから、アライアンス以降十数年やってきて、だいぶグローバルレベルの人材の選抜とか、登用とかができるようになったんですけど、なんとか感覚的なとこ、1周回って戻ってきたみたいな感覚は、個人的には少しあります。ただ、やはりそこは大事なところなんで、きちんと部署の中に、人事の中にですね、その部署を作ってやってきています。
 そのプログラムの1つの例ですけれども、1つは、グローバルチャレンジプログラムというプログラムを新たに導入しました。これは入社して3年ぐらい、あるいは5年目ぐらいの方を対象に選抜をしまして、海外に3ヶ月から6ヶ月ぐらいですけども、長期出張させて、本人のジョブランクよりも1つ高いレベル、かつフロントラインの修羅場を任せるというプログラムを入れました。これはなぜ入れたかというと、どうしてビジネスリーダーはそもそも育たないのか、という論議が社内でありまして、そこは大きく3つある、ということに結論に至りました。
 1つは海外の方と比べると、圧倒的に若い段階でのフロントラインの経験とか、ピープルマネジメントの経験とか、ある責任範囲に意思決定を持つという経験が、やはり日本人だと機会が少ないと。結果、そこでノンジャパニーズと比べると、育成のスピードという意味で差が出てしまうと。それと関連するんですけど、どうも我々日本人はトゥーアーリー症候群といいますか、まだ若いんじゃないかとか、そういうような、なんとなく考え方が無意識的にやっぱりあって。抜本的な意図を持った抜擢人事みたいなことに、少し躊躇してしまうと。結果、育成のスピードが遅くなると。
 3つ目は、そういうことと関連するんですけども、やはり育成の体系というものは、きちんとしてなかったなという反省がありまして。その3つをやるための1つ目としては、若いうちに1つ目の要因を潰すためには、3年目から5年目で、まだ選べないよというところもあるんですけれども、そこはきっちり、人材をかなりのセレクションプロセスを経て選抜をしまして、海外に6ヶ月ぐらい行って、修羅場をさして、帰ってきてもらうということをやっています。そのあとも、それで帰ってきて終わりではなくて、そのあとも実はこのプログラムは続きまして、そのあとは2年間、他部門の経験をしてもらいます。
 例えば、開発部門の方が生産部門に行くとか。あるいは物づくりのエリア以外のマーケティングの分野に行くとか。その経験を2年間していただきます。そのあと、長期出張ではなく、本当の海外へのアサインメントというのを2年間やると。そうすると大体、30歳ぐらいになるんです。そこでビジネスリーダーの素養を持った方を数多く輩出するような仕組みにしてます。その中でも入り口は、やはり採用ということになってきまして、やってることは大きく2つあるんですけれども。
 1つは、将来のビジネスリーダーの素質がある方を採用するためには、そこの母集団に、会社側からプロアクティブにアプローチしていくということを1つやっています。2つ目は、選考の過程がいくつかあるんですけれども、ワークショップ等を通じて、フューチャービジネスリーダーのポテンシャルを持っている方というのを、かなり綿密にアセスメントをしていると。
 そういうことを通して、採用の入り口、あと3年目から5年目のグローバルチャレンジプログラムでの、若いうちでの修羅場経験、帰ってきたあとの異文化経験、他部門経験というのを1つのプログラムの中で位置づけて、30代前後でビジネスリーダーポテンシャルある方を育成すると。そのように採用から仕組みを作ることによって、育成のスピードを圧倒的に速くして、日本人の将来のビジネスリーダーのタレントパイプラインをですね、強固にしてくと。こういった活動をしています。


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日産自動車株式会社
人事本部 日本人事企画部 人事企画グループ担当部長
福武基裕さん

国内メーカーを経て、2003年日産自動車入社、人事部 採用・異動グループへ配属。
部課長人事制度、組織改正・異動等に従事。2009年 同社関係会社の㈱オーテックジャパンへ出向し、人事・総務・渉外・IS・コミュニケーション等を統括。
その後、開発部門、経理/財務、G&AのHRBPを経て、2016年より現職。
HR Midterm Plan、HR for HR、HR IS等を担当。

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