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2016/11/19

なぜ居酒屋が大学生バイトの就活を手伝うのか?

居酒屋のあり方を変える驚きの制度「ツカラボ」

居酒屋業界で驚異的な成長を続ける「塚田農場」。その成長の裏には、約4000人ものアルバイト従業員の立場で考え抜かれた、斬新な人事制度がありました。

わかること

  • ・17年度新卒採用で変わったこと
  • ・アルバイト従業員のやる気とシフト出勤率を向上させる人事戦略

今回は株式会社エー・ピーカンパニー 人材開発本部副部長 平野知実氏に、2017年卒採用で起きた変化とアルバイト就活支援制度「ツカラボ」についてお話を伺いました。
 


【エー・ピーカンパニーについて(00:26~)】

杉浦: お話いただく前に、まずエー・ピーカンパニーさんについてご説明をいただいてよろしいですか。
 
平野: 株式会社の平野と申します。弊社は、今創業から15年の会社で、飲食業界に位置します。代表的なお店ですと塚田農場という居酒屋や、四十八漁場という魚をメインにしたような居酒屋を直営で150店舗、ライセンス海外も入れると230店舗以上を展開しています。その他にも、飲食業だけではなく、食品メーカーとしての機能も持っていて、イトーヨーカ堂さんやイオンさんでお取り扱いいただくような食品をプロデュースしていたり、食にまつわるお弁当やブライダル、いろんな事業をプロデュースしています。規模感でいうと、全従業員で約5,000人、うち850人程度が正社員、アルバイトのご協力さんを4,000人ぐらいいただいて、今経営が成っている状態です。
 
【アルバイト従業員の活躍(01:41~)】

杉浦: アルバイトが4,000人というのもなかなかの規模ですよね。
 
平野: サービス産業なので、労働集約型の産業になっていくので、正社員が、アルバイトさんが活躍できるようなマネジメントを整えながら、お客様に対して第一線で、キッチン・ホールで活躍していくのは、今はアルバイトがメイン。かつ特徴的なのは大学生が8割、9割なので、非常に若い会社かなと思います。
 
【採用活動について(02:18~)】

杉浦: エー・ピーカンパニーさんの中では、いろいろ採用はされてると思いますが、まず正社員の、いわゆる大卒の新卒になったときに、毎年定期的には採用はされてらっしゃいますか。
 
平野: はい、採用してます。今年の4月で入社した新入社員で新卒8年目です。16採用で8年目。8期生が入ったところです。この15年はずっと規模を拡大し続けてきましたので、離職率、飲食業界では比較的低くて20パーセント前後でやってますが、それでも毎年100名前後で、この4月に入社した8期生は過去最大の146人を新入社員で迎えました。
 
【17年卒採用での変化(3:17~)】

杉浦: 16年卒と17年卒と。今17年卒、もしかしたら継続をされてらっしゃるかもしれないですが、何か傾向ですとか違いはございましたか。
 
平野: 一つ数字で16年卒と17年卒を比較したときにいえるのは、インターンシップを弊社は夏から冬にかけて、ワンデーインターンをずっとやり続けて、そこに学生を600人ぐらい、早期に集客しているんですけど、インターンの集客と、弊社マイナビさん、リクナビさんにお世話になっていますが、ナビがオープンしたときのエントリーが、16以上に苦戦したかな、というのはあります。
 
杉浦: 割と全国的な傾向ではあったようですけど、エー・ピーカンパニーさんでも17年卒は少し苦戦されたというのが実感ですかね。
 
平野: インターンに参画される企業さんが増えることと、ナビの登録数が増えることを予測して先手を打っていたので、結果的には採用の目標数値は順調にクリアしていったんですけど、去年よりも、参加率、エントリー率というところでは落ちたかなと思っています。
 
【ツカラボの概要(04:43~)】

杉浦: 先ほどアルバイトが4,000名という話がありましたが、エー・ピーカンパニーさんの特徴的なお取組みとして、塚田農場、キャリアラボ、略してツカラボですかね。非常に多くのメディアにも取り上げていらっしゃるようですが、こちらについてまずは教えていただいてよろしいですか。
 
平野: ツカラボというのは、アルバイトさん4,000人を対象にした就活支援のプロジェクトです。社内的な立ち位置としては、アルバイトさんへの福利厚生というふうに位置付けてきました。と申しますのは、最初に述べた通り、4,000人のアルバイトさんがいて、彼らの多くが短大、専門、大学、大学院生となっているので、そのアルバイトさんに長く継続的に店舗で働いていただく上で、「塚田農場でアルバイトしてよかったな」と言ってもらいたいというところから始まった就活支援でした。
 
【ツカラボを始めたきっかけ(05:45~)】

平野: 元々は、弊社の副社長の大久保という人間がいますが、問題意識として、我々飲食店は店舗を持っていますので、大学3年生になるとある時期にガクンとシフト出勤率が落ちるんですね。売り上げに直結する痛手なので、「どうした。なんでみんなバイト休むんだ」と聞いたら、「就活が大変です」と。「今の就活ってそんなに大変なの?」ということで、当時店長をやっていた今の副社長が、就活についていろいろ調べていくと、「なるほど、これはなかなか企業と学生が対等に戦える土壌になってないな」という中で、学生の認識として、なぜかわからないのに、お祈り、不採用メールがたくさん来て、傷つく構造になっている。本当はそんなことないんですけど。
でも彼らには、企業情報が見えなくて、結局働いてみないとわからないという中で、彼らが苦戦しているということを目の当たりにしたとき、メリットというか、出勤率を上げてほしいということと、目の前で就活に悩んでいる子たちがいてほっておけない、という気持ちから1店舗で始めた就活塾が出勤率をグンと伸ばして。これは全店舗まで広げたら、アルバイトの採用予算をかけずに出勤率を落とさないことができる、ということで全社的に広めたのが5年前です。そこからいろんな工夫をしながら、今は毎年就活生が約800人いるんですが、その3分の1が出るような就活塾を、月1でセミナーを開催しています。
 
杉浦: 元は1店舗の取り組みだったんですね。
 
【ツカラボ実施の成果(07:42~)】

平野: 結果が出て、福利厚生というふうには申し上げたんですが、企業の経営的なメリットがあるかどうかというのが、どれぐらい規模を広げるかと、持続可能性だと思うんですけど、1店舗の中で出勤率が上がったということと、もう一つツカラボの企業的なメリットがあって、長期雇用につながるというデータをとっています。言い換えると、ツカラボに参画しているアルバイト学生は、ツカラボに参加していないアルバイト学生よりも、1.87倍継続勤務年数が伸びるというデータがとれたので、今、我々人材開発本部がもっていますが、本部も本腰入れて、就活塾をやろうという決断が5年前にされました。
 
【ツカラボの内容(08:37~)】

杉浦: 具体的にツカラボではどんなことをやっていらっしゃるんですか。
 
平野: 今は大きく三つの取り組みをしていますが、メインは塚田農場キャリアラボという就活支援セミナーです。月に1回、本社に大きなセミナールームがありますが、そこで副代表の大久保が就活講座を学生に展開しています。その就活講座というのは、手前みそですが、ありきたりの就活塾ではなくて、就活塾というと普通エントリーシートの書き方を教えたり、自己PRの仕方を教えるような、学生も最初それを期待して来ますが、第1回目に言われるのが「自分の人生、自分で決めろ」から始まります。
 
杉浦: だいぶ衝撃的なところから(笑)
 
平野: 今、世の中の価値観というのが、産業革命から情報革命から、どんな時代に入っていて、幸せは誰が決めるんだ、みたいな話から、結局幸福というのは自分の人生を自分で決めて歩める人間じゃないと幸福実感は得られない、という話。あと例えば、歴史ある企業さんがなぜ生き残ったのか、みたいなビジネスモデルや、その歴史を解説します。
なので、社会人の方もたくさん見学に来て、「社会人に受けさせたい」と言っていただきますが、「経営とは何か」「ビジネスとは何か」「業界とは何か」「生き残る企業の共通点」「変化の本質とは何か」みたいなことを大学生に話します。なので、エントリーシートの書き方以前に企業研究とか、自分が働くということは何なのか、ということを面白おかしく伝えていく。
昨年からツカラボ4年目に入って、いろいろ進化していって、いろんなゲストの方を社外からもお招きして、大久保の講座プラスゲストのお話があって、例えば面白いゲストだと、元歌舞伎町のナンバーワンホストクラブを経営していたイケメンホストの方もお招きして、女性にリピートさせるホストの技術と就活は似てる、みたいなことでいろんなお話をしてくださって、女子学生が「いやー、絶対落ちるー」みたいな。つまり面接官もお客さんだと。一方的ではダメなんだ、ということを面白おかしくこじつけながら、エンタメ感もあって、やってたりします。
あとは、キャリアラボの特徴的なところだと、企業の人事と学生をマッチングさせるようなイベントを、この2年ぐらいやり始めて、セミナーを受けて、全8回のセミナーを、実際の塚田農場に行くともらえるスタンプがあって、あれをツカラボ版の出勤を証明する。押していって、5回以上参加すると、ツカラボドリーム営業と呼んでいる企業とのマッチングイベントに出場できる。だからセミナーちゃんと出ろ、と言ってますが、企業とイベントに出て、企業さんからスカウトいただく、ということもキャリアラボの中でやっています。
あと残り二つは、塚田農場体験ラボという、アルバイトさんが産地に行って一次産業を体験する研修や、塚田農場おもてなしラボという、接客サービスのプロフェッショナリティーを育成するという研修も、このツカラボの枠組みの中でやっています。
 

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エー・ピーカンパニー
人材開発本部 副部長
平野 知実さん

大学卒業後、人材コンサルティング会社に入社。現在、株式会社エー・ピーカンパニーにて、ツカラボの運営を担う。

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