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2016/11/19

なぜ居酒屋が大学生バイトの就活を手伝うのか?

ツカラボを通じて起きた「従業員の変化」とは

ツカラボを受講したアルバイト従業員たちには、これまで見られなかった良い変化が起きました。その変化は、会社にとっても「意外な」メリットがありました。

わかること

  • ・ツカラボを実施して得られた結果
  • ・従業員満足度を高めることの、企業側のメリット

今回は株式会社エー・ピーカンパニー 人材開発本部副部長 平野知実氏に、ツカラボを実施して得られた結果について、お話を伺いました。
 


【ツカラボ後の従業員の変化(00:08~)】

杉浦: 非常に面白い取り組みではありますけれども、先ほど、ツカラボに参加している学生と、そうではない学生が1.8倍差があるというお話がありましたが、実際意識の変化ですとか、成長というところは、何か感じるところはございますか。
 
平野: ちょっと抽象的な表現になりますが、やっぱり飲食業なので「感謝」ということをすごく大切にしています。自分がお店で働けることの感謝、お客様に選んでいただいた感謝、それは接客サービスを通じて筒抜けるものだということを常々言ってますが、意識の変化というところでいうと、ツカラボに来てこういうセミナーを受けられることが、まず当たり前ではないということを、お店の店長さんたちがアルバイトさんたちに「ツカラボ行ってこい」と勧めるときにも伝えてもらうようにしてますし、会社が君たちのためにわざわざやってるんだ、ということを店長(に言ってもらって送り出してもらったり、私たちツカラボチームは「あなたたちが、ここでこういうセミナーを受けられているのは、ほかでもなく現場の店長や社員が、行ってこいと背中を押してくれたから、こういう場があるのであって、ここに来るからにはちゃんと就活で内定をしっかりもらって、その感謝を自分の働きで、成長によってお店に返しなさい」ということを、営業部と本部で連携してベースのあり方みたいなことを伝えているのもあって、これまで自分の居場所は1店舗だったところが、自分の所属はエー・ピーカンパニーだという意識になってくるんですね。
そのときに会社に対する感謝、送り出してくれた店舗に対する感謝というのが、自分がシフトインしたときに、「もっともっと形で返していかないといけないな」というような働き方になっていくというのが、特徴としてあるかと思います。
あと体験ラボに行って、一次産業の漁師さんや農家さんに触れたメンバーは、店舗ミーティングを自主的にアルバイトさんで開いて「もう、俺、絶対伝えないといけない。お客さんに伝えることが今まで浅すぎた」というふうに、すごいスイッチが入るので、そのメンバーは自分の接した商品をお店で売ります。伝えたい、というふうになります。
 
杉浦: 塚田農場さんのあの店舗の雰囲気というのは、一人一人のモチベーションから発せられるところがありますよね。
 
平野: 本当にそうだと思います。
【人材開発について(03:00~)】

平野: 持続可能性を担保するものとして仕組みはありますけど、なぜやっているのか、言い換えるとこの仕事を通して誰を幸せにしているのか、誰に感謝されているか、ということがモチベーション、つまり動機付けに大きく作用すると考えて人材開発をいろんな観点でしています。例えば、塚田農場がビジネスモデル上、特徴的なのは、お客様のためにあるお店というよりは、私たちは一次産業の生産者の方たちの思いのバトンを伝える最終ランナー、それが店舗だと入社のときから言い続けています。作ってくれた人がいて、加工して、流通で届けてくれた方たちがいるからこのお店ができている。その方たちの思いをお客様に伝える最終ランナーがキッチンでありホールなんだということを、社員、アルバイトに言ってます。
ちょっとアルバイトの話とはそれますが、社員研修の中にも、年間予算1,000万以上とっている産地研修、代表的な宮崎研修というものがあって、正社員が実際に宮崎県に行って養鶏を体験する中で、鶏をしめて、生産者の方と話すという研修がずっと文化であります。そういうところに、会社として人材開発として予算を持っているのも、どれだけの思いがここに込められていたかは、結局人って体験する以上のことってないと思うんですよ。箱での研修はあまり意味がなくて、自分の心が動いたときに、自分の言葉が生まれるので、その体験という接点をどれだけ会社が作れるかだと思っています。そういう意味で人材開発に投資している場やエネルギーというのは、重要視していますし、結果として言葉数は多くなくても、お店に入ったときに「あ、このお店、気持ちいいな」とか、「なんかわからないけど、もういいや、帰ろうかな」と思うものが場に伝播します。それは飲食業という特徴だと思います。
 
【アルバイト採用について(05:17~)】

杉浦: どうしてもアルバイトという話になってくると、うわべの元気さとかモチベーションみたいなところをコントロールしがちですけど、エー・ピーカンパニーさんからすると心の底から揺さぶるというか、そこから持ち上げていく、という考え方ですよね。
 

平野: 我々の理念はまず、食のあるべき姿を追求するというコーポレートミッションがありますが、その次に経営理念にくるのが、EISイコールCISという概念があります。これはいわゆるES(従業員満足)イコールCS(顧客満足)の中に、インプレッシブ、感動のIを入れたもので、従業員感動満足度とお客様感動満足度は比例する、イコールである、ということを置いています。なので、結局ちゃんと利益を出していく、お客様に選ばれ続ける会社であるためには、働いてる従業員が、少なくとも納得して、100パーセントが感動するのは難しいと思いますが、少なくとも納得して働いているということはすごく重要だと思っています。
なので、アルバイト採用というところでいうと、居酒屋のアルバイトって人が足りないイメージですが、私たちアルバイト採用の数字を見ていますが、面接に来てくれた方の倍率で3人に1人しか受かりません。エントリーからではなくて、面接に来た子の3人に1人しか、アルバイトの内定出しません。もしオペレーション、運ぶだけでよければ、ぜひ人は欲しいので来てくれた方、みんなに出したいぐらいではありますが、入口で塚田農場がなぜ誕生したのか、働いてる私たちの喜びは何なのか、ということを話したときの表情だったり、私たちはお客様とお話する時間もすごく多くて、一つの商品をテーブルに置いたときにも、「このナスは、佐土原なす研究会というところがあってですね」「このピーマンは、スガワラさんという農家のご夫妻がこんな思いで」とか、そういうことを話すということに対して、少なくとも嫌じゃない。得意かはわからないですけど。「いいですね」と言える方じゃないと、働いていただいて、仮にアルバイトであっても幸せじゃないと思うんですね。なので、入口の採用というところからこだわっている、というのもあるかと思います。
 
【自社へのメリット(08:01~)】

杉浦: 今の話をお伺いしていると、我々のパッと見のイメージだと、どうしてもアルバイト採用のためのものじゃないかと捉えてましたが、そうではなくて、ある種、組織開発をどうしていくのか、会社そのものをどう活性化していくのか、という中から生まれてきているのかなと。そこに惹かれていろんな人たちが入ってくる、そこに一緒に加わりたい、と回っているのかなという気がしましたが。
 
平野: おっしゃる通りです。私もツカラボを始めたときに、「よしきた。これはアルバイト採用でも、いい成果が出るんじゃないか」と思ってましたが、実際その部分はそうでもなくて。というよりも、すでにいる方たちのEIS、会社に対する感謝から始まる長期継続率というところに成果が生まれてたり、もっというと、正直ツカラボ自体は、企業に学生を紹介して、お金いただいて事業化しようかという話もあったんですが、理念が崩れてしまう、そうではないというところで、すべて参加費全員無料というところでやっていて赤字部門です。
でもなぜやるか、というメリット的なところでいうと、逆に新卒採用へのシナジーはあって、例えば今、トップクラスの国立大学の院生も新卒で入ってくるぐらいに、新卒採用も成長してきました。とはいえ飲食業はブラックなイメージがあるとか、とはいえ居酒屋でしょ、といわれがちですが、でもそこに対してどれだけ我々が人材に投資しているか。企業なのでいろんな矛盾はあります。
ただ人に対して、会社が経営からコミットして、本当に人材開発のことを思っているかという姿勢が、ひとつツカラボで見えるときに、これがまたいろんなメディアで出るようになって、例えば親御さんから「居酒屋?エー・ピーカンパニーって、あのキャリア支援してる会社じゃない?あそこまでやるなら本物だよね」と言っていただくようになったり、新卒でエントリーを考えている学生の方から、ツカラボを知ったのをきっかけに「いい会社だな」と言ってもらえる安心材料になった、それは定量化できませんが、定性的な感じるもの、みたいな中に本質ってあるのかなと思っています。なので、アルバイト採用というよりは、働いている方たちの満足度と全求職者、新卒採用を代表とする方たちからの安心感や、会社への信頼感に結果としてシナジーしているのかな、と今は思います。
 
杉浦: 採用というとどうしても、どう集めるかとか、募集フェーズに力を入れがちですが、エー・ピーカンパニーさんの場合ですと、いかに会社をよくするかが、結果としていい人を集めてくるという、非常にいい事例だなと思っています。
 

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エー・ピーカンパニー
人材開発本部 副部長
平野 知実さん

大学卒業後、人材コンサルティング会社に入社。現在、株式会社エー・ピーカンパニーにて、ツカラボの運営を担う。

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