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2018/03/14

サイバーエージェントが会社説明会を辞めた理由

なぜ辞めるのか?

サイバーエージェントは新卒向けの会社説明会を廃止しました。その真意に迫ります。

わかること

  • ・エンジニア採用のポイントとは
  • ・会社説明会をやめた理由
  • ・会社説明会の代わりに始めたこととは

ゲスト:株式会社サイバーエージェント 採用育成本部 新卒採用責任者 小澤政生氏
聞き手:株式会社LeaGLO 代表 採用ブランディング・ディレクター 上田浩史氏

 


上田:小澤さん、そのサイバーエージェントさんのリファラルという、泥臭いながらも本質的な採用をやっていらっしゃると私も非常に感じていますが、あともう一つのテーマとしては、エンジニア、技術職はなかなか取れない。まわりの人事の方々、小澤さんも大変さを最前線でやっていらっしゃるなかで、私から見て他の企業様、ベンチャー企業様、中小大手関わらず優秀なエンジニアの方々が集まっているという印象が僕の中であるのですけれども、ここのエンジニア採用を是非聞かせてほしいと思います。
私も相談があるのですが、なかなかそこに対して期待に応える適切なアドバイスができない時もあるので、ここは是非小澤さんに。視聴者のみなさんもエンジニア・技術者採用はこういうふうにやるんだと。もちろん正解はないと思いますが、先ほどの小澤さんが大事にしている本質的な採用のあり方のなかで、特にエンジニアの採用のポイントとか大事にしていらっしゃることをお聞きできたらと思うのですが。
 
【エンジニア採用のポイントとは(01:17~)】

小澤:私も本当にエンジニア採用は6年やっていてもいまだに難しいというか、分からないことの方が多くて、試行錯誤を繰り返しているのですが、基本的なポイントとしては総合職以上に聞く、という。
 
上田:先ほどの大事にしている延長線上に。
 
小澤:やはりなかなか私もエンジニアではない状態で、エンジニアの方々と採用というなかで関わりを持つのですが、彼らからすると会社の事業は話せるけど技術が分からない人事は、もう「人事の人」なんですよ。サイバーの人事の人という形になるので、なかなか印象に残らないです。それで私も最初始めた1、2年はすごく苦労しまして、あの人事の人と言われるのがすごく悔しくて。私のなかではエンジニアのことが分かる、少なくともプログラミングをした経験があって、どういうところが大変なのかを共通の話題としてできるぐらいにはしようと思ったので、1週間ぐらいでしたがjavaを書いてみて、自分に全然合わないなというところまでは実感をして、「javaってこういうところ、コンパイラ通らないとイライラするよね」とか、そういう専門用語を少しでも共通の話題として挟めると、この人結構エンジニアのことを寄り添って聞いてくれるんだなと思ってもらえるので、まずは共通の話題を増やすことと、あとはしっかり総合職以上に聞く、あと寄り添う、そこが結構大事だなと日々思います。
 
上田:本質的なことは逆に変わらない。みなさんいろいろな手法でいろいろなイベントやったらうまくいくんじゃないかというよりか、表面的なものではなくてもう一歩さらに踏みこんでいくことが大事です。
 
小澤:いまだにサイバーエージェントに来なかった、起業しました、他の会社にいきました、という今だと4年目5年目ぐらいになっている元学生さんですね。この方々とかもいまだにFacebookとかメッセなどをして、たまに飲みに行ったりしますが、そういう関係性築けるというのは、採用人事の人だと多分できないと思っていて、私は本当に分からないことだらけだったので、教えてくれというスタンスで行って、他の会社さんでもこの人事の方すごいなあと思う方は、カフェとかで、ちょっとこのパイソンの書き方がわからんから教えてくれ、みたいなかたちでカフェで学生を呼んでプログラミング教えてもらっていたりしていて、そこまでやるのはすごいなと私は本当に純粋に尊敬しました。
そういう方ほど実はこういう子がいて紹介したいですけど、と彼らが心を開いて紹介してくれたりとか。彼らは聞いたことに対してすごく返してくれるので、分からないことをシンプルに分からないと伝えることがまず大事で、知ったかぶりをする人事にエンジニアはすぐに心閉ざすので、分からないことは全然分からないと。教えてと。教えられたことはしっかりと学んで、後日ここまでできたんだけど。今だとディープラーニングとかデータ分析やりたいという学生さん非常にいるなかで、「あ、そうなんだ。」までは話せる人事がたくさんいると思いますが、例えばその中でチェイナーなどいろいろあるけどこれ全然違うからちょっと教えてくれみたいな、最初のさわりだけ知っておいてあと教えてもらうとそこでぐっと関係が縮まるので、基本的には聞く、あとは寄り添う。ここはすごく大事にしている気がします。
 
上田:そこは小澤さん、少し人事の文脈とずれるかもしれないですけれど、人として、僕も大事にしていることは、学生を学生と見ないというか、ようは人事の立場になるとどこかで何かを教えてあげているとか、どこかでこういうふうな場を提供してあげているという方々が多いじゃないですか。時間を割いてあげているとか。
でも今のお話を聞くと、学生というより一人の人として、技術を持った、ただ年齢が少し上なだけであって、非常にリスペクトという表現はあれかもしれないですけど、しっかり相手を認めて学生というより、ひとつの卓越した技術をもったプロとして、そういうような向き合い方をしていらっしゃるのではないかと思いました。
 
小澤:そうかもしれないです。採用担当と学生というより、技術が分からないちょっと年上の人と、技術のことを詳しく知っている。でも自分のキャリアに悩んでいる人同士がコミュニケーションをとっているというほうが割と近いかもしれないですね。
 
上田:そういう向き合い方をしてくれる人がほとんどいなかったから、あれ、みたいな。サイバーさんとか、先ほどおっしゃったベンチャーの人事の方々も、自分のことをしっかりやってきたことを、承認して意見を出してくれているなというところで、心を開いていらっしゃるのかなと少し感じます。
 
小澤:純粋に知りたいなと思って聞きに行っていたのが、結局そういう関係性になったのかなと思いますけど。人事が例えば学生さんと、会食とかご飯に行くときに気持ち良く話したら僕は負けだと思っていて。それは学生がもう何も聞いていないのと一緒だと思っています。割とその逆で、学生さんが「実は」みたいな、「まだ言っていないんですけど」という本音をしっかり言ってくれるのが引き出すほうだと思うんですけど。基本的にわたしは自分と学生との採用とか面談や会食の中で1個の指標としておいているのが、自分が気持ちよくなってしゃべっちゃったパターンは負けだと思っています。
 
上田:深いですね。それは結構人事の方々見ていらっしゃる方多いのではないかと思います。
 
小澤:なかなか私も昨日もちょっと気持ちよくしゃべっちゃったのですが、それはたぶん学生には響いていないパターンのほうが8割型だと思っていて、聞かれたこととか、実はというのを引き出すことと、それに対してアドバイスをしてあげるとお互いにとってよかったなと思うのですけど。やはり「有難うございました。貴重なお話有難うございました。」というので終わる内容というのは、内容が響いてないパターンが多い気がします。基本的にはそういうところも含めて本音を引き出すとかコミミを拾うことがやはり大事だと思います。
 
上田:私もいろいろな学生たちに講演をしていますけど、気を付けないといけない。気持ちよくなりがちなので。ありがとうございます。聞くこと、言うことですね。本質的なことは変わらないのですね。
続きまして、今年から世の中の採用のあり方を変革していきながら、志ある採用って何だということを日々説いているなかで、サイバーエージェントさんさすがだと思っていて、2019年、会社説明会をやめますという新しい、メディアのほうにも小澤さんが書かれて特集をされていらっしゃると思うのですけど、会社説明会をやめるという背景や、その狙い。狙いというところでいくとやはり学生のためであったり、就活性の今のコミミをしっかり聞かれたなかでの今回アプローチであったりとか、採用改革だと思いますが、そのあたりを是非お聞かせいただきたいです。
 

【会社説明会をやめた理由(09:26~)】

小澤さん:サイバーエージェントでは2019年卒の採用から会社説明会をやめることをブログに書いたところ、取材を頂いて、思わぬ形であれよあれよとアドバイスを頂けたのですけれど、背景としては3つありまして、1点目はとにかく学生の負担を減らす。地方の学生がメインですけれども、地方就活生の物理的な金銭的な負担を減らす、これがまず1つめ。2番目が会社社員と学生のコミュニケーションの質を上げることが目的としてあります。3つ目が、これは社内なのですが、我々採用人事を含めた働き方改革。この3つを掲げてとりあえずやってみようか、と。失敗したら戻せばいいじゃんというくらいのテンションだったのですけど。実はもともといきなり新しく始めたというより、徐々に段階的に年次おうごとに説明会を減らしてはいました。これは誰のためにやってるんだったっけ、こんなに準備しながらやっているけどみんな来れるのかな、みたいな。今日なんか特に天気が悪い中で説明会をやります。東京でやります。飛行機飛びません、それどうするの?学生ももう一回調整しないといけないし、我々も調整しないといけないし、これ誰の為の説明会なんだっけ。と、いうことが一番の入り口ではありました。
 
上田:コミミというか、それって誰のためになっているのかというところが、私自身も関西にいて、距離の問題と、金銭的な問題が、これは結構多くの企業さんは分かっていたと思います。やり続けていた中で一つ、ここはより今年これをやろうとおもった去年もそのお話は出らっしゃったと思うなかで、今年それをアクセル踏んで踏み切った理由はあったのですか?
 
小澤:2つあって、1つは私個人の話ですが。私就活していたのが12,3年くらい前ですが、そのころ自分がどんな就活していたかというと、大阪出身なので確かに夜行バスに乗って東京まで行って、朝6時ぐらいに着いて、あさマックして眠たくなったところに面接みたいな。今はどうかというと、今も変わっていない。なんで変わってないのかと不思議なところがあったのがまず一つ。
あとは2つ目としては社内ではFLAT、と言いまして、地方の学生就活生の支援パッケージFLATを2年前からやっていまして、今年が3回目になりますが、地方の就活生を応援しますよ、というパッケージで。例えば面接の交通費は全額出しますよとか、最終面接以外はオンラインで対応しますよとか、あとは我々が現地に行きます。大分とか九州とか、今年も北海道、島根、新潟とかいろいろなところに行くのですが、現地に人事と社員が一緒に行って、そこに学校に来てくれたらいいよ、と。そこで説明会をやって選考会もやって、最終面接手前まで現地でやりますというのをパッケージ化したんです。その結果、かなり地方の就活生の入社の割合が今5割ぐらいに上がってきていまして、もともと3割だったのが、4割5割となってきているので。実績としてもうまくいっていますし、採用戦略としてもうまくいっているところに、さらに拍車をかけたいなということが背景にあります。
 
上田:今年会社説明会をやめるということで、具体的にじゃあどうしていくんですかというところを是非お聞きしたいです。
 

【会社説明会の代わりに始めたこととは(13:28~)】

小澤:今まででいうと、説明会は我々1時間ぐらい準備をして、人事の方だったら分かると思いますが机を移動させたり水を置いたり参加者のリストを印刷したりなど、もろもろ合わせると1時間ぐらい準備をしてセミナー自体は説明が1時間ぐらい。そのあと選考会をやっていたので、トータルでいうと我々4時間ぐらいかかっていました。学生さんはそのコアタイムの2時間ぐらいだったですけれど。5時間かけて2時間のセミナーに来る子もいたりして、これは本質的じゃないかと言ってやめました。やめた代わりに何をしているかというと、サイブラリーというサイバーエージェントとライブラリーを掛けているのですけども、サイバーの人とか事業とか文化がわかる図書館みたいなものを作ろうと決めて、それをスマホで見れる形にしました。ですから今までだと会社概要は基本的に人事が説明すると思いますが、今はサイブラリーに収録して、社員が大体今だと30人ぐらいエンジニアとか営業とか、マーケティングしている人、AbemaTVの番組作っている人とかですね、彼らに15分くらい今自分がしている仕事を話してもらいます。スライドと本人が話しているのをワイプをうまく駆使しながら15分の短編の説明会を50本ぐらい用意して好きなものを見てくださいと。入口としては見たものの感想を書いて下さい。これがエントリーになります。基本的にはスマホを見てもらえれば説明会来たよというカウントをとって、あとは選考会に来てもらうという形にしています。
 
上田:新しいですね。これは日本初ではないですか?ここまでやっている企業さんで。今までオンラインで見れるよとか、というのはあったじゃないですか。その時のニコ生とかライブ配信とか。でもここまでしっかりコンテンツを用意して、それをしっかり自分達で見てというところは日本初だなというのと、やはりおっしゃる通りこれからの時代スマホでユーチューブを見ている時代のなかで、リアルにやらないといけないところ。たしかにそこはどこでもできたのではないかということに対して、新しい当たり前というか、ある意味今の時代に正しい採用のあり方かもしれないですね。
 
小澤:会社概要というのは各社さんコンテンツも充実してきているので、わりと人事の話を聞かなくてもある程度分かっている学生さんが多くて、知っていますと。説明会東京にきました。北海道から来ました。説明会聞いたことある人、と聞いたら以前サイバーの話聞いたことありますと。そんな人がなぜまだ5時間かけて渋谷にまた来ているのか。と、すごく違和感に思ったので、基本的には15分ぐらいの短編の社員が話す、そういう会社概要を50本ぐらい用意をして好きなものを見て。そうするとやってみた結果の産物なのですが、割と学生の質問のレベルが上がったんですね。私はAbemaTVのなんとかさんのこの番組を見ました。その中で気になったのが、これだったのですけど、というピンポイントの質問がすごく増えてきたので、会社の理解にもすごく繋がってきていまして、サイバーってどんな会社ですか?というのが大量にあった時代から今は個別で小分けで専門性をもった質問が増えてきているので、我々としても2つ目に申し上げたコミュニケーションの質がすごく上がっているという実感があります。
 
上田:たしかにコミュニケーションの質、それこそ採用の時期が限られているなかで、いかに相互理解をしていくか。一番相互理解に時間がかかるのは会社が何をやっているのかの理解ですもんね。それを事前に解消して踏み入った質問を学生側もしてくれて、そこに対してきちんと適切な問いをしていく。選考になってしまうと、見極めが中心になるので学生としては会社のことを理解したくてもそういう機会ってまだまだない企業が多いですよね。
 
小澤:一番分かりやすいのは長期のインターンなどで夏休みなどに働いてもらうのが一番会社のことが分かると思いますが。特に地方の学生さんは我々はFLATのなかで、例えば地方から一カ月からインターン来ますという方も徐々には増えてきてはいるものの、まだまだ十分じゃないと思っていて、となると彼らは関西で座談会になると結局人事がやるんですよ。そうなると会社のさわりは分かるけど込み入ったところが分からないので、それであれば全部コンテンツで作ってセミナーの直前まで動画が見れる状態にしておいたほうが学生からしても移動時間などに会社説明を見れた方が絶対良いので。
 
上田:これはすごく新しいし、正しい。私も今非常に良い気づきを頂きました。もう一つの例えば、裏の狙いじゃないですけど、自分で能動的に学べる人かどうかも分かりますよね。質問の質がライトだときちんと見ていない。
 
【サイブラリー実施の効果(16:41~)】

小澤:見てないと分かります。
あとは割とコミュニケーションの質を上げる意味では、直近の19卒の学生さんにも伝えたりしているのですが、今これも産物としては動画を撮っておくと18の、次4月に入ってくる子たちで今度配属を悩んでいる時期じゃないですか。彼らにもそれを見ておいてという話で割と話がぐっと質があがることが多くて。ですから19卒向けではありますが18の子たちは配属に向けてどんな仕事があるんだろうという事業理解について学べるツールになっていますし、20以降の子たちもサイバーってサイブラリー見ました。こういう事業やっているんですよね、という最初のファーストコンタクトでのコミュニケーションが上がるので。
 
上田:私も存じ上げなかったのですが、サイブラリーすごいですね。おっしゃっていたように内定者の会社の理解になりますし、1、2年生もそうですし、逆に社員の方々。入ってから最近違う部署にいきたいという方々も15分のエッセンスで見れますし、どのタイミング、1、2年生から見ることもできたり、偶然意識高い高校生が今内部ですけどもう少し広いところでアピールしたときに。
 
小澤:本当に高校生とかからもメッセが来たりして、サイブラリー見ました。仮装通貨興味あるんですけどインターンやっていますか?とか。そういうのが割とあります。
 
上田:会社説明会をやめたことによって、やめたといえどもしっかり準備していると。学生の距離の境界と金銭的な境界をなくし、社員の方々の本質的なコミュニケーションの活性化になり、人事の方々の結果的に働き方の改革になったと。
 
小澤:めちゃくちゃ楽になりました。
 
上田:WINWINですね。

【後編に続く】

 

【動画フルバージョンはこちら】

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株式会社サイバーエージェント
採用育成本部 新卒採用責任者
小澤政生さん

新卒でサイバーエージェントに入社し、営業職を経験後、人事に。採用業務を6年間担っている。

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